MENU

「社長のコラム」  互恵便り52号より

 お蔭さまです。

この夏は、特にどこへ出かけるでもなく、静かに過ぎていきました。体調のこともあり、外の暑さを避けて、ほとんど事務所で過ごす日が続きました。朝七時には家を出て、ゆっくり歩いて会社へ向かいます。短い時間ではありますが、気持ちがすっとして、私にとって一日の始まりを整える大切な時間です。

昨年、病を得てから、当たり前だったことがどれほど貴重だったかを思うようになりました。食事もお酒も控えるようになり、ビールの味もすっかり忘れてしまいました(笑)。今は、水と飴玉が日々の楽しみです。以前のような賑やかな会食や出張はぐっと減りましたが、その代わりに、静かな時間の中で考えることが増えました。

食事は健康を考えて質素ですが、不思議と不満はありません。元々あまり食しませんが、肉を食べなくても 、お酒を飲まなくても (こちらは晩酌していました) 、体が動いて仕事ができることへの感謝が湧いてきます。体重が少し戻ると、身体が重く感じられます。何事も無理をせず、あるがままを受け入れるようになりました。歳を重ねて 「できることが減る」 というのは、周りの人たちへの感謝が増える機会なのかもしれません。

週に一度の会議に顔を出して、社員たちが一生懸命に仕事に取組んでいる明るい声を聞いていると、それだけで元気をもらえます。若い頃のような体力や勢いはなくても、「まだまだ負けてはいられない」 と思うことがありがたい。近頃は、そんな気持ちで一日を過ごしています。
 

穏やかな日々は、端から見ると退屈に思えるかもしれません。しかし、慌ただしく過ごしていたときとは少し違った景色が見えるようになりました。大きなことはできなくても、毎朝自分の足で歩いて出社し、元気な社員の姿を見られること。それが、今の私にとって一番うれしいことです。

今日もこうして働けることに感謝をしながら、明日もまた、淡々と仕事に向き合いたいと思っています。ありがとうございます。

                                              社長 中谷明生
 

よかったらシェアしてね!